作中の病名などについて

当時使用されていた言葉や認識されていたものをそのまま使用していますので「らい」という言葉や、「遺伝病である認識」を記載しております。かつての日本は、伝染病や遺伝病等の病に対し、穢れであるという認識を強く持っていました。
 また「労症」に関しては、「労咳、または神経症、鬱」という広義の記述しか見つけることができず、治療法など詳しい知識を得ることができませんでした(江戸時代、労症で寝付いた娘さんをお医者さんが治療した際の逸話などは見つけられたのですが)。そして鬱や、精神的な病に関しても、日本では「憑かれている」という認識の下、差別的意識がありました(それを「神の子」と尊ぶ方向でアレ、「狐憑き」と罵る方向であれ)。作中での表現は、現在では「慢性疲労症候群」と呼ばれている病気の患者の方の体験談などをもとに、私が勝手に創作をしたものです。
 この作品の意思が、そういったところにないことをご理解いただけているものだと願い、こういった記載をすることこそ、くどくおせっかいなことかもしれないと思いながらも、万が一にも、私の寡聞により不快になった方がおられましたら、心からお詫びを申し上げます。